ミノフスキー粒子

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ミノフスキー粒子(Minovsky Particle)[編集 | ソースを編集]

トレノフ・Y・ミノフスキー博士によって発見された光子と対になる粒子[1]宇宙世紀0040年代にミノフスキー博士が発表した統一場理論を証明する「ミノフスキー物理学」によって存在が仮定され、0069年に実証された。

マイクロ波から超長波に至る電磁波の大半を減衰させる特殊電磁場効果を生み出す他、非伝導性物質を透過する強い透過性を持つ。通常では存在せず、人為的に生成し散布しないとその効果は現れない。

ミノフスキー粒子はプラスかマイナスの電荷を持ち、互いの斥力(タウ・フォース)により立方格子状の「Iフィールド」を形成する。Iフィールドは空間そのものが電荷を帯びている為、そこを通過しようとする電磁波は遮断・減衰され、一度散布されるとフィールドが消滅するまでの約一ヶ月間効果を発揮し続ける[2]

また、伝導物質に対してもある程度の透過性があり、この効果とIフィールドの特殊電磁場効果によってシールド処置の施された電子回路や光集積回路などを除く電子機器の性能が著しく低下し[3]、ときに使用不能に陥る。あくまで粒子の性質によって電波が遮断される為、電子機器自体は物理的に壊れる事は無く、粒子が消滅し影響が無くなった時点で機能は元通り回復する。MSなどにレーダーが標準装備されているがこれは粒子の無い状態で使用するだけではなく放射電波の阻害具合を計る事で「ミノフスキー粒子濃度チェッカー」の機能も持たされている為である。

ミノフスキー粒子を用いた物理学全般をミノフスキー物理学と呼称し、これを応用してミノフスキー・イヨネスコ型核融合炉ミノフスキークラフトメガ粒子砲等が生み出されている[4]。また一説には赤外線や一部の可視光線も阻害するとされ、シャア・アズナブルのパーソナルカラーの赤はこの効果を狙ったとの説がある。

散布領域ではレーダーや無線通信の使用が難しくなる為、機体同士が接触して装甲の振動で音声を伝える「接触回線[5]」やレーザー通信、発光信号やハンドサイン、信号弾などで通信を行う。また、ミノフスキー粒子散布下での索敵システムも模索されており、伝導性物質の位置とサイズを推定するミノフスキー干渉波形成分析式逆探知システム、Iフィールドの崩壊状態を観測して散布時期を推定し散布源の位置を割り出すミノフスキー・レーダーなどがその代表例である。が探知精度は正常動作している状態のレーダーに比べ著しく劣るレベルの物でしかない。

なお、粒子散布によるジャミング戦術を考案したのはUC0070年代のジオン軍が初であり、それまではこの粒子の利用法は艦砲用メガ粒子砲やM&Y式ジェネレーターに限定され、特徴的な電波漸減の性質などは「漏れた場合のデメリット」程度の認識でしかなかった。

また、粒子濃度に比例して漸減力も強化され、放射電波がほぼ完全に阻害された状態は「戦闘濃度」と呼称される。粒子散布領域では電波がほぼ遮蔽されるものの、ミノフスキー粒子は人為的に散布し続けなければ効果を発揮しないという性質上、平時に散布領域が存在する事は「そこに何かある」という証明となってしまう為、隠密行動では敢えて粒子散布を行わなかったり、徐々に粒子の濃度を上げるといった手段が講じられている。

ミノフスキー粒子対応表 [編集 | ソースを編集]

※下に行くほど周波数が小さい。マイクロ波から下は電波に分類される。

影響 電磁波の種類 主な用途
影響:少 γ線(放射線)  材料検査、医療
X線(放射線) 医療、レントゲン写真
影響:無し 紫外線  医療
可視光線 光学機器
影響:濃度によって影響あり 赤外線  無線通信、熱探知、暖房機器
影響:あり サブミリ波(マイクロ波)  無線通信
ミリ波(マイクロ波) レーダー、無線通信
センチ波(マイクロ波) レーダー、無線通信、衛星放送
極超短波(マイクロ波) 無線通信、電子レンジ
超短波 レーダー、無線通信、テレビ・FM放送
短波 無線通信、ラジオ
中波 海上通信、AM放送
長波 海上・航空機用通信、調理器
超長波 海上通信

登場作品[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダム
機動戦士Ζガンダム
機動戦士ガンダムΖΖ
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
機動戦士ガンダムUC
機動戦士ガンダムF91
機動戦士Vガンダム

関連用語[編集 | ソースを編集]

ミノフスキークラフト
Iフィールドの性質を利用した浮揚力場生成システム。
ミノフスキー・フライト
ミノフスキークラフトの簡易技術、もしくは発展型とされるシステム。「ミノフスキークラフトによる飛行」を指すニュアンスで使われる場合もある。
ミノフスキードライブ
ミノフスキー粒子の力場を衝突させた際に発生する斥力を用いた反発力場推進システム。
熱核融合炉
宇宙世紀における一般的な電力供給源。「M&Y型熱核融合炉」は炉の安定にIフィールドが使用され、かつミノフスキー粒子そのものも生成供給する。
Iフィールド
ミノフスキー粒子による斥力立方格子力場フィールド。一般的にはそれを用いた対ビームバリアを指している場合が多い。
メガ粒子砲
ミノフスキー粒子を縮退変換生成した「メガ粒子」をビーム弾体として投射する指向性エネルギー兵器の総称。
超破壊至高達宇宙電撃成 (ドミノフスキーサンダー)
アルマリア』の作中に登場する、残留ミノフスキー粒子のスカラー場を利用し強力な電撃空間を発生させる戦法。
ニュートロンジャマー
C.E.世界に存在する核分裂抑制の為の兵器。電波撹乱等の特性も持っている。
GN粒子
GNドライヴから放出される特殊粒子。ミノフスキー粒子と酷似している。
エイハブ・ウェーブ
P.D.世界に存在する「エイハブ・リアクター」から発生する「エイハブ粒子」の崩壊時に生じる磁気嵐。電磁波を阻害する性質などはミノフスキー粒子に近似する。

余談 [編集 | ソースを編集]

  • ガンダム作品以外では、MSX用ソフト「METAL GEAR 2 SOLID SNAKE」冒頭、レーダーが使用不可になる状況について説明されるシーンで『さらにテキに発見された場合もレーダーはつかえない。テキをミノフスキー・リュウシでカクランするためだ』といったように、パロディとして用いられている。復刻版ではさすがに「妨害電波」に差し替えられている。

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. その為ファン内でよく言われる「ミノ粉(みのこな、みのふん)」は間違いで粒子一つのサイズも素粒子サイズかそれ以下の物である。ただ、漫画『ダブルフェイク』での「粉を撒き散らせミノフスキー粒子散布」といった発言のように粒子を「粉」として表現した作品も一部見られた。極端な例は『Gの影忍』で、実際にトリカブト、マツの実に混ぜて粉末状にした上で使用している。
  2. ミノフスキー粒子は発生源から距離の二乗に比例する速度で加速する為、立体格子を長期間維持する事が出来ない。逆に言えば、一ヶ月程度の期間が経てばその効果は消滅する。
  3. 「電磁波を増幅し導体などに過負荷を与え破壊する原理」と勘違いされる事が多いが実際は真逆の「電磁波エネルギーを吸収し漸減する」事でこの効果が発生している。また、この影響で宇宙世紀では一時的に電子機器、取り分けシールド処置を施せない民間機器や通信機器、半導体電子回路やコンピューターなどの電子技術の一部が第二次世界大戦レベルにまで戻ってしまい現実の電子機器発達の歴史と比較すると極めて歪な発展・進化の歴史を辿っている。
  4. ミノフスキー粒子を利用した軍事技術全般はMAWS(Minovsky-theory Aapplied Weapon System=ミノフスキー理論応用兵装体系)、もしくはMBW(Minovsky Bame Weapon=ミノフスキー粒子兵器)と呼称される。
  5. 「お肌のふれあい通信」の俗称でも呼ばれている。